西武・辻監督「気になってしょうがない」 高橋光成の“発言”を知りたがった理由
リーグトップのチーム防御率、首位を視界にとらえているからこそ
「そんなもん? うーん」。辻監督は少し不満そうで、「俺にしてみれば、わからないな。(高橋は)エースだからね」とつぶやいた。相手の田中将は前回登板の16日・オリックス戦で7回を無失点に抑え、自身の連敗を6で止めていた。辻監督は「前回の田中の投球内容は素晴らしかったから、なかなか点を取れないことはわかっていた。光成も(調子は)良かったと思うよ。そこでやはり、絶対先に点をやってはいけないという投球をしてほしかった。先制ホームランはしようがないとしても、本人も言うように、2点目の取られ方がまずい」とあえて指摘した。
「チームだからさ。自分は降板すればいいかもしれないけれど、チームは9連戦の8戦目で、しかも野手は今日延長12回までやっているわけだ。そういうことを考えたら、もちろんこれからの時期は投手も大変だろうけれど、1試合1試合、全てを出し切ってほしいよ」と言うのだ。
大投手の田中将とのマッチアップでも、一歩も引かない気概を見せてほしかった。少なくとも、先に点を与えたことをもっと悔しがり、責任の重さを痛感してほしかった。2年連続で開幕投手を務め、今季はリーグトップのチーム防御率を誇る投手陣の大黒柱と認めるからこその、高い要求といえるだろう。昨季は42年ぶりの最下位に沈んだが、今季は一転、3年ぶりのリーグ制覇をはっきり視界にとらえている西武。辻監督のエースに対する妥協のない姿勢は、優勝への本気度をうかがわせるものだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)