「根は明るいんです」笑わぬ職人が変身…辻監督への“イジリ”も強い西武の原動力?

「監督が特別な存在で、話しかけづらいと思ってほしくない」

 辻監督自身の印象も、就任6年目で大きく変わった。ベルーナドームでは今季毎試合前、先発メンバー紹介の際、ベンチの辻監督がビジョンに大写しになると、山田、山野辺ら一部が背後で辻監督のネーム入りタオルを掲げるなど、日替わりで趣向をこらした“イジリ”を加えている。ファンの間では「辻監督って厳格なイメージだったけれど、こんなに気さくな人だったとは」と驚いている向きが多い。

「僕はもともと根は明るいんですよ。現役時代は笑わないこと、(グラウンドに集中して)スタンドを見ないことを心がけていましたけれど」と辻監督。「選手たちには、監督が特別な存在で、話しかけづらいとは思ってほしくない。今年は寄ってくる選手が増えました。そういうのは大好きです。時代も変わってきたのだと思います」と笑う。

 パ・リーグは首位から5位までが僅差でひしめく大混戦。「これからはコンディショニングが鍵になるのではないか。選手に無理をさせず、慎重に、なるべく離脱者が出ないようにやっていきたい」と思いを新たにした。“コミュ力”を増した指揮官が、獅子を栄冠に導くか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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