シーズンを貯金2で折り返したロッテ 井口監督が評価する前半戦、投打の功労者は?
打者では高部、投手では東條の活躍を称賛
前半戦を振り返ってみると、打者では高部(瑛斗)、投手では東條(大樹)の働きが光ったと思います。高部に関して言えば、荻野がいない時は1番打者としてチームを引っ張ってくれた。今は荻野と1、2番コンビとして、どちらかが塁に出て足でかき回しながら、試合のペースを作ってくれる。下位打線からの繋がりも含め、非常に大きなポイントになっていると思います。
高部は昨季まで、ファームでは申し分ない成績を残しながら、1軍に定着できずにいました。ファームでは自分の結果に集中できる部分はあっても、1軍ではチームの勝利がすべて。チーム内での自分の役割があると同時に、つないだり、送ったり、その役割はシチュエーションで変化する。今季はその役割を自分なりに理解し、徐々に実践しつつあるのかなと思います。
1番打者であれば、相手投手に球数を投げさせながら出塁したり、出塁したら盗塁を狙ったり。このあたりは今、荻野の打席を一番近い場所から見ながら、すごくいい勉強ができているのではないでしょうか。荻野は高部のようなタイプの選手にとって一番いい教材ですから。
投手では、東條が大車輪の働きをしてくれています。開幕から7回以降の終盤を投げ続けてくれ、今では試合の流れを変える存在でもある。リードしている場面であれば、しっかり打者3人で抑えてくれる安心感があります。
好調の要因の1つは、制球力が良くなったことでしょう。昨季まではストライクゾーンのコーナーばかり狙い過ぎていたのか、自分自身でカウントを不利にすることが多かった。それが今は、自信を持ってストライクゾーンに自分の球を投げ込んでいるのが、防御率1.69、25ホールドという結果につながっているんじゃないかと思います。
東條自身、昨季は1軍で5試合しか投げられず悔しかったと思うので、今季は気合が入っているでしょう。ただ、ここから登板数が増えてくるので、こちらでも気を付けながら使っていきたいところです。
高部にしても東條にしても、成功体験を自信にしながら経験値を上げているのを、はた目から見ても強く感じます。自信は成長を後押しする。しっかり結果を出してくれているので、我々も信頼して送り出すことができています。