中学で木製バットはまだ早い? 芯当たれば「フェンスまで」も…ポニーが検証する“定説”

折れた本数にも技術の向上が反映「長期的に見たら持続可能」

 対応力は、折れる本数にも反映されていた。世間一般で言われている「木製は折れるから経済的ではない」という定説。那須勇元事務総長は懐疑的だった。

「本当に経済的ではないのか。感覚ではなく、数値で実際に検証してみるべきではないかと。そして、協会で管理して販売することにしました」

 5月から各チームにそれぞれ2本ずつ提供。その後は、折れた分だけ販売することにした。すると、大会が始まった5月ごろは折れて再購入の連絡が何度もきたが、6月、7月は減少していった。

「導入したときは、正しい木目で打たずに折れるケースがありましたが、今ではほとんどなくなりました。慣れてきた成果だと思います」と那須氏も手応えをつかんでいる。すでに8月の3年生が出場する第26回コルト選手権大会でも木製バットの使用が決まっている。

「3年生は初めての使用なので、おそらく最初は折れると思います。ただ、長期的に見たら持続可能だと考えています」

 中学生には無理、折れるから経済的ではない。それらの意見は試してみるまで分からない。木製バットを使った子どもたちの可能性は、大人の想像をはるかに超えていた。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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