退屈な「股関節トレ」が“リズム”で一変　専門家が紹介、家でできる取り入れ方

横浜市の「GXA野球教室」で指導　協会認定インストラクターの渡辺智典氏

　野球の動きで重要な要素に、股関節の使い方と横の動きがある。走攻守全てにおいて大切と分かっていても、地味な反復練習が多いため、少年野球の子どもたちが継続するのは簡単ではない。ただ、リズムを加えると、練習に対する意識が変わる。スポーツリズムトレーニングのインストラクターが、自宅でもできるトレーニングを紹介する。

　下半身を使って打つ、投げるという言葉は、少年野球の現場でも頻繁に耳にする。下半身でためた力を無駄なく上半身に伝えられれば、飛距離や球速アップにつながる。大切になるのは、上半身と下半身をつなぐ股関節。打撃でも投球でもひねる動作のある野球では、股関節の役割が大きい。柔軟性や強度を欠くとパフォーマンスが上がらず、怪我のリスクも高まる。

　股関節のトレーニングにはストレッチや四股などがある。効果は理解していても動きが単調なため飽きやすく、特に小、中学生は継続するのが難しい。一般社団法人「スポーツリズムトレーニング協会」（略称STAR）認定のインストラクターで、横浜市にある「GXA野球教室 神奈川・横浜戸部校」で少年野球の子どもたちを指導している渡辺智典さんは、音楽を使った「スポーツリズムトレーニング」を推奨している。

　四股を踏むようなポーズをして、音楽に合わせて股関節でリズムを取る。体を動かすスピードを4ビート、8ビートと変えることで、トレーニングに新鮮さが生まれる。渡辺さんは「音がかかることで楽しく行うことができますし、頑張りやすくなります。きついトレーニングをしている感覚も小さくなります。最終的にはきついですけど」と話す。

　股関節周りの強化で一般的なトレーニング「サイドステップ」も、リズムをつけると楽しさが増す。野球は打撃、投球、守備と全てで足を踏み出す「横の動き」が入る。軸足にためた力を、踏み出す足に効率良く移すには股関節の使い方が大切で、サイドステップを練習メニューに取り入れる選手やチームは多い。渡辺さんはリズムを変えたり、動きにバリエーションを加えたりして、少年野球の子どもたちに指導している。退屈になりがちなトレーニングも、リズムが入るだけで気分が変わる。

（間淳 / Jun Aida）