「緒方監督との確執はなかった」広島リーグ3連覇“直前”に名コーチが辞任した理由

2015年から広島の監督を務めた緒方孝市氏【写真:荒川祐史】
2015年から広島の監督を務めた緒方孝市氏【写真:荒川祐史】

黒田博樹、新井貴浩が復帰した2015年、リーグ優勝へ期待は高まったが…

 広島の打撃コーチとして丸佳浩、菊池涼介、鈴木誠也ら若手を鍛え上げ、リーグ3連覇の土台を作ったのが新井宏昌氏。2015年にはチームがBクラスに低迷し、成績不振の責任を取り自らチームを去った。本人の証言をもとに振り返っていく連載の第19回は「緒方新監督と過ごした1年」。

 2013、14年の広島は丸、菊池涼らが力を発揮し、2年連続でAクラス(3位)入りを果たした。野村謙二郎監督が同年オフに退任し、リーグ優勝に期待がかかった2015年は、前年に1軍野手総合・ベンチコーチを務めていた緒方孝市が監督に昇格した。

 黒田博樹、新井貴浩のベテラン2人がチームに復帰し、エースの前田健太(現ツインズ)にとって日本球界最後のシーズンに。若手、中堅、ベテランと駒が揃い、悲願のリーグ制覇に気運は高まっていた。新井氏も「2年間で選手の成長を感じていた。レギュラーになりつつあった選手が、責任あるポジションに就いて面白いチームになっていた」と振り返る。

「これだけは誤解しないでほしい。緒方監督との確執はなかった」

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