きつねダンスの“拡散”からMVPへ 球宴の主役となった日本ハム清宮、激動の1日
7回から途中出場し、9回2死から154キロ直球を左翼へサヨナラ弾
■パ・リーグ 3ー2 セ・リーグ(26日・PayPayドーム)
主役は試合前から大忙しだった。「マイナビオールスターゲーム2022」の第1戦が26日にPayPayドームで行われ、日本ハム・清宮幸太郎内野手が同点の9回2死から左翼席へサヨナラ本塁打を放ち、MVPを獲得。ホームランダービーの打撃投手を務めたり「きつねダンス」を披露したりと、終始、“夏の宴”の中心にいた。
高卒5年目で初めての球宴出場はプラスワン投票での選出となった。試合前にはきつねの耳のカチューシャをつけてグラウンドに。ソフトバンクの柳田やグラシアルと一緒に記念撮影をするなど、注目を集めた。
ホームランダービーでは柳田の“打撃投手”として登場。打ちやすい球を投げて、柳田の勝ち上がりをアシスト。27日の球宴第2戦前に行われる決勝戦もこのペアで出場する。柳田は「清宮幸太郎のボールがよかった」と絶賛。ファンからも「清宮有能」の言葉がネット上に寄せられていたほどだった。
見せ場はまだ続く。5回開始前にパの6球団のマスコットガールたちと一緒に、きつねの耳をつけて一緒に「きつねダンス」を披露。ノリノリの姿に客席も大ウケ。試合に出ていなくても存在感が光った。
そして出番は7回に。左翼の守備に就いた手に持っていたのはファーストミット。9回には広島・小園の飛球を無難にキャッチした。本来ならばファーストミットは外野守備では使用しないため、珍しい光景としてファンの心に刻まれた。
クライマックスは9回裏だ。同点の2死で打席が回ってきた。「本塁打を狙っていた」と話した通り、マウンドの広島・森下の投げた154キロの直球を反対方向へ運び、劇的な本塁打で試合を締めた。オールスターで過去にホームスチールを成功させて、夏の宴を盛り上げた日本ハム・新庄剛志ばりの“お祭り男”ぶりだった。ヒーローインタビューでは「やったぜ」とビッグボスポーズも飛び出して、ファンの視線を独り占めだった。
「きつねの耳」の“普及”から、打撃投手、そしてダンスで魅了し、守備でも注目。最後に美味しい場面を手繰り寄せて、モノにする勝負強さ――。清宮まさにこの夜の“主役”となった。
(Full-Count編集部)