鈴木誠也の1年時より「結果が出ている」 二松学舎大付監督も舌巻く“15歳の4番”

市原監督「誠也は1年生の時はあまり打たなかった」

 二松学舎大付OBで、片井の12年先輩にあたる現カブス・鈴木誠也外野手と比べても、遜色のない才能の持ち主と言える。市原監督は「誠也は1年生の時はあまり打たなかったので、(1年生の時点では)片井の方が結果が出ている気がしますよ」とおどけつつ、「そもそも、あの頃の高校1年生には140キロ半ばのボールは打てなかった。一般的に中学生のレベルが上がっているのだと思います」と話した。

 鈴木誠也の野球に対する真摯な姿勢は、市原監督を通じて叩き込まれているが、個人的に中学2年の頃から手本にしているのは巨人・岡本和真内野手の打撃だという。「テークバックから最短距離でバットが出ている。岡本さんのように逆方向(右翼方向)へも大きい当たりを打てるようになりたいです」。

 目指すは、左翼、中堅、右翼どこへでもスタンドインさせることができる長距離砲。その点では、アウトにはなったが5回無死一、二塁での第3打席で中堅右のフェンスぎりぎりまでフライを飛ばし、二塁走者をタッチアップで三塁へ進めた打撃にも手応えがあった。

 2006年8月31日生まれ、満15歳の右投右打のスラッガーは、埼玉県朝霞市の自宅を離れ、寮生活を送っている。今大会での4番抜擢には「びっくりしました」と言うものの、中学時代にも狭山西武ボーイズで務めていた“定位置”とあって「やっぱり、しっくりきます」と屈託がない。一方で「甲子園のイメージは、全然湧きません」と苦笑する。昨夏や今春には、まだベンチにも入っていなかった若武者が、チームを3季連続の聖地へ導こうとしている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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