村上宗隆から「お前、絶対打たせないからな」 ドラフト候補、慶大・萩尾匡也の苦い夏
「強い気持ちがないと、プロに入ってもビビっちゃうのかなと」
その後も、九州学院高と対戦するたび、藤崎台球場に足を踏み入れるたび、あの感覚を思い出した。村上はその後ヤクルトにドラフト1位で入団し、昨季には本塁打王を獲得するなど、今や球界を代表するバッターに成長。「今も顔を見るだけで頭のどこかに浮かびます」と肩をすくめる。
そんな苦い思い出も、今では糧となっている。
「自分はメンタルが弱い人間だったので、それからは『なにくそ』ぐらいの気持ちでやらなきゃなって思うようになりました。見下すぐらいの強い気持ちがないと、プロに入ってもビビっちゃうのかなと。いざ自分が何かやるって時は、見下すぐらいの気持ちでやらないとなと思いました」
萩尾は昨年までの3シーズンで0本塁打も、今春は5本塁打を放つ活躍。堀井哲也監督も「凄い成長スピードですよ」と目を細める。50メートル6秒00の走力も魅力で、プロではトリプルスリーが目標。「またプロの世界で会えたらいいなって思います」。上の舞台で再会し、感謝の気持ちを伝える。
◯萩尾匡也(はぎお・まさや)2000年12月28日生まれ。熊本県出身。小学4年時に室クラブで野球を始め、中学時代は熊本ボーイズで投手としてプレー。文徳高では高校通算43本塁打を記録した。慶大では2年春にリーグ戦デビュー。4年春に5本塁打、17打点でリーグ2冠王に。打率は.339を記録した。広角への長打力に加えて、50メートル6秒00の走力も魅力。180センチ、85キロ。ハマっていることは韓国ドラマを見ること。好きな芸能人は永野芽郁さん。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)