非公開練習にもファンが…プロになった芸人・高岸宏行に期待される「いいお手本」
初練習にはメディア22社が集結、一般非公開でも観客の姿
地元新聞やキー局など、実に22社が炎天下のグラウンドを見つめる。その先に、大粒の汗を流すお笑い芸人がいた。独立リーグ・ルートインBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスに加入した「ティモンディ」の高岸宏行投手が、チームの練習に参加。身長188センチと恵まれた体躯の右腕は、すでに様になっていた。
7月25日、栃木市のエイジェックさくら球場。代名詞の「やればできる!」をチームメートと叫び、練習がスタート。真剣な表情でキャッチボールや投内連係などに取り組んだ。メニューを終えて報道陣に囲まれると、即座に芸人の顔に。どんな質問を投げられても、“高岸回答”に終始した。
練習は一般非公開となっていたが、運動公園内にある球場は外野などからグラウンドが丸見え。スマホで撮影するファンもいた。19日の入団会見後、球団には問い合わせが殺到。「デビュー登板はいつか?」「ビジターの試合には来るのか?」。一見を心待ちにする声であふれた。
球団では、これまでも村田修一・現巨人打撃兼内野守備コーチや元阪神の西岡剛・現北九州兼任監督、元ソフトバンクの川崎宗則内野手ら“NPBの大物”が加入。ファンの注目を集めてきた。それだけに、今回も“話題づくり先行”を指摘する声もある。
もちろん、球団が恩恵を受けるのは間違いない。綿密に準備して華々しく入団会見を都内で開催。その日から高岸のレプリカユニホームやタオルなどグッズの注文をスタートさせた。人気に便乗されたのか、ツイッターなどSNSでは球団の“偽アカウント”が出現する事態も。ゴールデンブレーブスの名や独立リーグの存在を、野球ファン以外に広げる千載一遇のチャンスでもある。