「いいスタートを切る」意識が失敗の原因 元盗塁王が重視したリードと重心

クセを研究、リードを大きくして「スタートが遅れても大丈夫」と心に余裕

 盗塁を成功させる上で、スタートの大切さは理解していた。ただ、スタートに注力しすぎると力みにつながる。聖澤さんは、相手投手のクセを徹底的に研究し、リードを大きく取る方法を選んだ。

「盗塁を失敗した時の映像を見返して自分の弱点を分析した時に、いいスタートを切ろうとする意識が邪魔をしていたと気付きました。自分で自分にプレッシャーをかけていました。リードを大きく取ることで、スタートが少し遅れても大丈夫と心に余裕を持てるようにしました」

 心のゆとりが結果的に好スタートにつながり、盗塁を積み上げた。相手投手の牽制のクセを見抜いておけば、大きめにリードを取っても悠々と帰塁できた。リードする時の重心も工夫した。

 相手投手がセットポジションに入ったら、左右の足の重心を「5対5」にする。そこから、1秒、2秒と相手投手の呼吸や背中の雰囲気を感じながら、重心の割合を変えていく。次の塁に近い右足に6割、7割と乗せていき、「8対2」になればスタートを切る準備は整うという。

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