自然と子どもたちが荷物を整理整頓 少年野球で大人気の“魔法”のようなシートとは?

シート1枚で10人分のスペース 使用後は丸めてバットケースに収納

 辻監督の悩みを解決したのが、親交のあるフィールドフォースの吉村尚記社長だった。改良を重ねて「勝手に整理整頓シート」を完成させた。しわが付きにくく、強度が高いポリエステルの生地を厚めのコーティングで仕上げた。シートの四隅にはハトメを付け、強風の時は杭を打ち込めるようにした。

 長さ5メートルのシートには50センチ刻みでラインが引いてあり、10人が自分専用のスペースを使用できる。養生テープに背番号を書いて貼り付ければ、子どもたちが勝手に荷物を置く仕組みだ。そして、ポイントは82センチにしたシートの幅。一般用のバットと同じ長さのため、シートを丸めればバットケースに収納できる。

吉村社長は「学童・少年野球のグラウンドに行くと、整理整頓ができずに子どもたちが指導者に怒鳴られながら荷物を並べ直している姿をよく見かけました。子どもたちはストレスを感じていると思っていました」と商品開発の意義を語る。実際にシートを使っている辻監督は「ブルーシートの問題点が解決されました。子どもたちには『荷物置いて』と声をかけるだけです」と話した。

 練習や試合前に、選手も指導者もストレスになっていた荷物の整理。1枚のシートが問題を解決する。

(間淳 / Jun Aida)

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