「肩が硬い」と故障しやすい? 怪我をしやすい選手、しにくい選手の違いを検証

柔軟性を獲得すれば怪我を予防できる 肩の硬さをチェックする方法は?

 この結果から(1)身長が高い、(2)体重が重い、(4)投球スピードが速い、の3項目があてはまるのはパフォーマンスの高い選手が多いと思われますので、ついつい無理をさせてしまうことが考えられます。選手自身はもちろんのこと、指導者や保護者からも期待されるでしょう。しかし、そのような選手こそ長期的に成長させるということを念頭に入れ、怪我でリタイアさせないよう大切に育てていきたいですね。

(3)肩が硬いことも怪我の原因となっています。肩の硬さはストレッチをしっかりと行うことで柔軟性を獲得し、予防することができます。まずは肩の硬さのチェック方法について、紹介しましょう。

1、写真のように脇を直角にして肘先を足側に倒します。
2、その時に脇の直角は維持するように注意して,角度を左右で比較してください。

 左右の角度差が15度以上の場合は肩が硬いという判定になります。

 その他にも、5年間の試合出場回数が多いことも肩や肘の痛みにつながるという結果が出ています。人数の少ないチームでは連投や投手と捕手の兼務など特定の選手に負担を強いる状況もあると考えられます。指導者の皆さんも頭を悩ませていることと思いますが、練習試合を減らしたり、成長期の選手には様々なポジションを体験させたりするなどの工夫があると良いでしょう。

▼参考文献
※1 Greenberg EM et al. Physical and Functional Differences in Youth Baseball Players With and Without Throwing-Related Pain. Orthop J Sports Med. 2017 22;5(11):2325967117737731.
※2 Oyama S et al. Preseason screening of shoulder range of motion and humeral retrotorsion does not predict injury in high school baseball players. J Shoulder Elbow Surg. 2017 26(7):1182-1189.

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(Full-Count編集部)

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