フライはグラブの位置、送球は腰のひねり 外野手の“日本記録保持者”が解説する守備上達法

現在は楽天でアカデミーコーチをしている聖澤諒さん【写真提供:Rakuten Eagles】
現在は楽天でアカデミーコーチをしている聖澤諒さん【写真提供:Rakuten Eagles】

聖澤諒氏は外野手として927回連続無失策の“日本記録保持者”

 フライを確実に捕りたい。送球を強くしたい――。楽天イーグルスアカデミーのコーチを務める聖澤諒さんは、少年野球の子どもたちから守備の悩みを相談される時もある。現役時代は盗塁王のタイトルを獲得するなど俊足で知られた聖澤さんは、外野手としても連続無失策の日本記録も樹立している。フライの捕球はグラブの位置、強い送球は腰のひねりをポイントに挙げている。

 2018年に現役引退した聖澤さんは、楽天アカデミーのコーチ4年目を迎えた。園児から中学生までを指導する中で、フライを捕るコツを質問されることがある。

 現役時代は主にセンターを守り、2010年から15年にかけて外野手連続守備機会無失策927のプロ野球記録を打ち立てた。外野手に最も大切なのは打球判断とし「打球が飛んでくる前の準備を一番大事にしていました。予測をいくつか持っておきます」と語る。味方投手が投じる球種やコース、打者のタイプによって打球を予測。パワーがない打者の時は重心を前にするなど、アウトにする確率を高める準備を整えた。

 こうした高度な動きは少年野球では求められないかもしれない。ただ、捕球の基本はプロも初心者も同じ。聖澤さんは、右利きの選手であれば、グラブを左耳の横に構えることが最も確実に捕球する方法だと説く。

 フライを苦手にする子どもの共通点として「恐怖心」を挙げる。飛球が顔や体に当たる怖さから、グラブを体から離してしまう。グラブと目の距離が離れるほど打球の距離感が掴みにくくなるため、失策する可能性が高くなる。聖澤さんは「お腹の位置で捕る打球は一歩前、体の横で捕球する打球は一歩斜めに動けば耳の横でキャッチできます。耳の横でグラブを構えられればフライを捕る確率は上がります」と説明する。

初心者はゴムボールや新聞紙を素手でキャッチする練習から

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