田中将大に迫る数字残したオリの新人右腕 セイバー目線で選ぶ7月のパMVPは?

オリックス・吉田正尚【写真:荒川祐史】
オリックス・吉田正尚【写真:荒川祐史】

打者は楽天・島内宏明とオリックス・吉田正尚のハイレベルな争い

 打者部門の評価としては、平均的な打者が同じ打席数に立ったと仮定した場合よりも、どれだけその選手が得点を増やしたかを示す「wRAA」を用いる。各チームの上位2選手は以下の通り。

○西武 森友哉6.41、山川穂高4.77
○楽天 島内宏明8.73、茂木栄五郎4.75
○ソフトバンク 柳田悠岐3.91、甲斐拓也3.08
○オリックス 吉田正尚8.55、杉本裕太郎6.73
○ロッテ 荻野貴司7.73、岡大海4.42
○日本ハム 松本剛4.83、近藤健介3.38

 7月のパ・リーグの打者記録を見てみると、以下の2選手が拮抗している。

○島内宏明 80打数28安打、打率.350、本塁打3、OPS.961、BB/K0.77
○吉田正尚 87打数28安打、打率.322、本塁打4、OPS.982、BB/K1.58

 公式の月間MVPではオリックス月間首位の立役者として吉田正が選ばれる可能性が高いだろうが、最も「wRAA」が高くチームへの貢献が大きかったという意味で楽天の島内を推したい。勝利確率を上昇させる場面で効率的に結果を残した島内宏明を、セイバー目線で選出する7月の月間MVPパ・リーグ打者部門に推薦する。

鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。近著に『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)『世の中は奇跡であふれている』(WAVE出版)がある。

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