2人で520億円の不良債権は「とことん大失敗」 ナ軍WS制覇からの“壮絶な崩壊”

ナ・リーグ東地区で最下位に沈むナショナルズ【写真:Getty Images】
ナ・リーグ東地区で最下位に沈むナショナルズ【写真:Getty Images】

ストラスバーグは20年から7年331億円契約も登板は8試合のみ

 2019年にワールドシリーズを制したナショナルズの“転落”ぶりが著しい。先日、フアン・ソト外野手をパドレスに放出するなど当時の主力選手が次々と去り弱体化が進み、5日(日本時間6日)終了時点で36勝72敗で地区最下位に沈む。米メディア「CBSスポーツ」はチームが崩壊した“4つの理由”を挙げている。

 メジャーの頂点に立ったチームが3年も経たずに“お荷物球団”に。その要因の一つがあまりに多くの有力選手がチームを去ったことだ。ソトの他にマックス・シャーザー投手、トレイ・ターナー内野手をトレードで放出。アンソニー・レンドン内野手はFAでエンゼルスに移籍した。19年はシャーザー、スティーブン・ストラスバーグ、パトリック・コービンの3投手でプレーオフの総投球回の約60%を担った。記事は「近年の記憶の中で、2019年のナショナルズ以上にスター選手に頼って世界一に輝いた球団はない」と指摘している。

 2つ目がFA契約による失敗だ。2018年12月にFAでナショナルズと6年1億4000万ドル(約189億円)の大型契約を結んだ左腕コービンは19年こそ14勝(7敗)を挙げたが、以降は2勝7敗、9勝16敗と負けが込み、今季は4勝15敗(球界ワースト)。6日(同7日)のフィリーズ戦の先発登板では2/3回6失点と大炎上し、防御率は7.02と悲惨な状況だ。「今では球界最悪の先発投手。世界一にならなかったら彼のFA契約は最近の野球史上最悪の部類として記憶されたかもしれない」と酷評している。

 ワールドシリーズでMVPに選出されたストラスバーグは、そのオフに7年総額2億4500万ドル(約331億円)でナショナルズと再契約した。しかし、その後は度重なる怪我の影響で計8試合に登板しただけ。今後も明るい見通しは立っておらず、「あの契約はとことん大失敗だった」と断じている。他にもハウイー・ケンドリックやダニエル・ハドソンとの再契約、ウィル・ハリスとの3年契約も「失敗」とし、チームに痛手となっている過去のFA契約としてジョン・レスター、スターリン・カストロ、エリック・テームズ、ブラッド・ハンド、ネルソン・クルーズの名前を挙げている。

 他には、他球団傘下にいる隠れた才能や過小評価されている選手を引き抜けていないこと、選手育成が下手なことをあげている。記事はポストシーズンを毎年狙うために必要とされる才能ある若手を、「ファームは育てられていない」とし、専門誌「ベースボール・アメリカ」の開幕前の評価によると、ナショナルズのファームシステムは26位だったことを紹介している。

【写真】WS制覇後まさかの“転落”も… コービンが純白ドレスの美人妻と幸せを謳歌する当時のプライベートショット

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