大事なことは「野球以外の時間を確保」 子どもを伸ばす“週末4時間”の育成法

怪我の予防と野球以外の時間確保、練習は週末の午後4時間

 実際、チームには移籍してきた選手もいる。指導が合わなかった選手に加えて、当番で丸一日拘束されることに疲れた保護者もいるという。

 練習を週末の4時間にしているのは、怪我の予防と野球以外の時間をつくる目的がある。子どもたちは午前中に他の習い事をしたり、宿題やゲームをしたり、家族との時間を過ごしたりしてから、練習に参加する。後藤監督は「興味や可能性が広がるので、子どもの頃は色んな経験をしてほしいと思っています。野球だけをやっていて怪我をしたら、大きな喪失感が生まれます」と話す。

 子どもの可能性を広げる考え方は、練習や指導にも表れている。後藤監督は選手に複数のポジションを経験させている。肩や肘への負担を考慮して投手と捕手は多くの選手を育てる他に、複数のポジションを守るメリットがあるという。

「1つのポジションしか守れないと、中学や高校で突出した選手と同じ守備位置になれば試合に出られません。それに、複数のポジションを経験すると子どもたち同士の会話も増えます」

 例えば、普段二遊間でコンビを組む選手の守備位置を入れ替えると、相手の気持ちや考え方が分かる。ミスした時にアドバイスし、ベースに入ってほしいタイミングを伝え、選手間で話をする時間が自然に増える。後藤監督は「もちろん、指導者から子どもたちにアドバイスすることも必要ですが、子どもたち同士で話をすると成長につながると思います。色んな景色から野球を見てほしいと考えています」と語る。

戦術に時間を割かず 将来見据えて体の使い方を重視した練習

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