元巨人・上原浩治氏が熱弁した“軟式野球愛”「小学生の甲子園」で2年連続始球式

マクドナルド・トーナメントで始球式を行った元巨人・上原浩治氏【写真:宮脇広久】
マクドナルド・トーナメントで始球式を行った元巨人・上原浩治氏【写真:宮脇広久】

「マクドナルド・トーナメント」開幕 上原氏がメッセージ「最後まで笑顔で」

 小学生の甲子園とも称される「高円宮賜杯 第42回 全日本学童軟式野球大会 マクドナルド・トーナメント」の開会式が8日、神宮球場で行われた。始球式に登場したのは、巨人、メジャーリーグで活躍した上原浩治氏。大役を務めるのは新潟県で開催された昨年の大会に続いて2年連続で、自身の基礎を築いた軟式野球への愛情を熱っぽく語った。

 正規のマウンドから上原氏が投じたストレートは、ストライクゾーンにズバリと決まった。スタンドからの歓声を浴びながら大役を果たし「(久しぶりの軟式ボールが)思ったより軽かったですし、先日のドリームマッチ(今月1日に行われたプロ野球OB戦のサントリードリームマッチ)で、僕の肩もできていましたから」と気持ち良さそうに笑顔を見せた。

 開会式には、47都道府県の予選を勝ち抜いた各代表チーム(北海道は2チーム、東京は開催地枠を含め3チーム)に昨年優勝した大阪・長曽根ストロングスを加えた50チームが出場。上原氏は「僕から見たら、うらやましい限り。基本的に都道府県で1チームしか出られないのだから、誇りに思って最後まで笑顔でやってほしい」とメッセージを送った。

 プロ野球界には小学生から硬式でプレーする選手も多い中、上原氏は父がコーチを務める軟式チーム「大阪・寝屋川アスナローズ」で野球を始めた。上のステージを目指すには早くから硬式に慣れた方が有利という声に対して「プロ野球選手の約1割が、このマクドナルド・トーナメントに出場した経験があると聞きました。(小学生の時に)軟式でも硬式でも、関係ないと思います」と、それぞれに良さがあると訴える。

マクドナルド・トーナメント開会式の様子【写真:宮脇広久】
マクドナルド・トーナメント開会式の様子【写真:宮脇広久】

熱中症対策で初めて午後4時半から開会式 試合も午前と夕方に開催

 今大会は新たに熱中症対策として、最も暑くなる時間帯を避けて午前中と夕方に試合が組まれている。この日の開会式も午後4時半から行われた。上原氏は「こういう試みは良いと思います。(真昼の時間帯を避ければ)日程が詰まるといった問題が発生して、会場を増やすなどの対策が必要になるかもしれませんが、まずやってみて、1つずつ課題を解決していくことが次につながるのではないでしょうか」と評した。

 オリオールズやレッドソックスなどメジャーで9年間プレーした上原氏は、少年野球における日本と米国の違いを目の当たりにしてきた。両国の良い部分を融合する形が理想と考えながらも「なかなか難しいですし、何が正解なのかも一概に言えない」と語る。そして、「練習時間は米国の方が圧倒的に短いです。日本の少年野球のいいところは、あいさつがしっかりできるところと、道具を大切にするところだと思います。米国ではグラブを蹴って遊んでいる子もいて、あちらの文化なのかもしれないけれど、僕の感覚ではちょっと……」と指摘した。

 巨人のエースを経て、レッドソックス時代に日本人初のワールドシリーズ胴上げ投手となったレジェンドは、自身の原点である少年野球にも温かい視線を注いでいる。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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