わずか4安打で勝利「伝統と歴史を繋いでいく」　“横浜野球”を体現した2人の2年生

村田監督「伝統と歴史を繋いでいくというのは嬉しい」

　そしてもう一人、チームを引っ張ったのが緒方だった。昨夏は1回戦の広島新庄戦で大会初となる“1年生の逆転サヨナラ本塁打”をマークして話題を呼んだ。それから1年。体重も7キロ以上も増やし、心身ともにたくましくなって聖地に戻ってきた。村田監督も「緒方から流れを作る」と信頼を寄せ、1番に置く。この日も先制打だけでなく、5回の守備では高山亮太（2年）の三遊間の深いゴロをさばき、安定した送球でアウトにした。

「昨年は3年生に連れて来てもらった甲子園ですが、今年は3年生を連れて来るという思いでやってきた。チームはレベルアップしています」

　4安打で効率よく得点し、守り切った横浜。スタンドからは“黄金時代”を築いた前監督・渡辺元智氏、前部長・小倉清一郎も見守っていた。「（両氏が築き上げた）伝統と歴史を繋いでいくというのは嬉しい」と村田監督。名門の名に恥じぬ戦いで、ひとつずつ勝利を積み重ねていく。

（川村虎大 / Kodai Kawamura）