容易ではなかったSNSでのビッグボス指令… 日本ハムの“執念先輩”が乗り越えた葛藤

日本ハム・今川優馬【写真:羽鳥慶太】
日本ハム・今川優馬【写真:羽鳥慶太】

コロナ禍の日本ハムで奮闘する今川優馬、ひと月の2軍生活で何が?

 7月中旬から日本ハムは新型コロナウイルスの直撃を受けた。新庄剛志監督はじめコーチ陣が続々陽性となり、選手の離脱も相次いだ。不運は重なるもので、パ・リーグ首位打者を走る松本剛外野手が膝の骨折で戦線を離脱した。

 プロ野球のポジション争いには表裏がある。チームが困るような事態は、誰かのチャンスとも受け取れる。このピンチに“生命力”を発揮したのが2年目の今川優馬外野手だ。7月24日のロッテ戦では、「4番打者が初回に満塁弾」という珍記録を残し勝利の立役者となった。監督代行として指揮を執った木田2軍監督に初白星をプレゼント。清宮幸太郎内野手と2人、ファンに向けて「執念!」と絶叫した。その後もあまり経験のなかった中堅を守るなど獅子奮迅の活躍だ。

 ただここでは、スポットを浴びるまでの約1か月に光を当てたい。葛藤の中でもがきにもがいて、光の当たる舞台へ帰ってきたのだ。7月上旬、千葉県鎌ケ谷市の2軍施設で、今川の口は重かった。

「ここが、野球人生のターニングポイントになる気がします。ビッグボスも必要としてくれていると感じる言葉だったので、悔しかったですけど切り替えて……」

 今季は開幕1軍を果たし、6月19日に2軍落ちするまでに42試合で打率.246、6本塁打17打点。昨年から比べると長足の進歩だ。だからこそ降格を告げられた後、SNSを通じて新庄剛志監督から届いた「左中間、右中間へ二塁打を打てるようにしてほしい」という指令は、少々意外なものだった。

容易でなかった監督指令「一から違ったバッティングになる」

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