容易ではなかったSNSでのビッグボス指令… 日本ハムの“執念先輩”が乗り越えた葛藤

日本ハム・今川優馬【写真:羽鳥慶太】
日本ハム・今川優馬【写真:羽鳥慶太】

容易でなかった監督指令「一から違ったバッティングになる」

 指令はかみ砕けば、確実性を上げようというものだ。ただ今川は大学時代から「どうやったら本塁打を打てるか」をひたすら考え抜いてここまでたどり着いた選手。求められたのは「課題をしっかり与えられた感じです。打球の角度だったり、全てを見直していかないといけない」と言うほど、大きな変化だった。

 もちろん、言葉ほど簡単ではない。これまで今川が目指してきた打球角度は30度ほど。ここから一定のスイングスピードでボールを打ち出せば、スタンドインの可能性も高まるという「バレルゾーン」に収まる数字だ。新庄監督の指令の通り、外野の間に鋭いライナーを打てるようにするには、これを20度くらいまで下げる必要がある。

「タイミングの取り方から、全てが変わってくる。一から違ったバッティングをしている感覚です」

 キャンプ中も夜間練習組を率いていたように、自他ともに認める練習の虫。鎌ケ谷では夜の自主練習の時間に、打球角度を測りながら練習していたという。25度くらいまでは下がっても、その先が遠い。数字はなかなか安定しなかった。言葉にも、切迫感がにじむ。

「葛藤がないわけではないです。でも、答えは出ているんです。やらなければ、上で試合に出るチャンスをもらえない。積み上げてきたものも一度取っ払わないと、この先試合に出られなくなってしまう」

今川を前に進ませる「野球が好きで、うまくなりたい」という思い

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