「来年日本でプレーしたかったら…」 新庄監督がサイン見落としの助っ人に呈した苦言
7回1死二、三塁で2ランスクイズ仕掛けるも「サード手前で緩めてました」
■楽天 2ー1 日本ハム(18日・札幌ドーム)
日本ハムの新庄剛志監督が18日、札幌ドームで行われた楽天戦で2ランスクイズのサインを見落としたアルカンタラに厳しい言葉を並べた。エンドランのサインでの空振りもあり、直後の守備から交代。「来年日本でプレーしたかったら、そういうところもしっかりしてもらわないと」と苦言を呈した。
スクイズ成功の瞬間、ビッグボスは喜びではなく、ベンチで顔を抑えて下を向いていた。0-1の7回1死二、三塁。仕掛けたのは2ランスクイズだった。打席の松本剛はブセニッツの直球を一塁線へ絶妙に転がしたが、生還したのは三塁走者の中島のみだった。
「バリバリ2ラン(スクイズ)。強いチームに勝つためにはああいう作戦を取って2-1にしておいて勝っていかないと。外国人投手(相手)じゃなかったら2ランスクイズじゃなくてスクイズにしてたけど、二塁ランナーが外国人だったっていう(笑)」。冗談交じりにそう振り返った。
映像を見直したという指揮官は「サードの手前で(スピードを)緩めてました。だから(サインを)分かっていなかったと思う」と二塁走者だったアルカンタラの様子を説明。実はこのとき四球で出塁した際の打席でも、カウント2-1からの4球目、エンドランのサインで空振りした。結果的に中島は二盗を決めたが「きれいに空振りしてくれました。だから代えた。当たらないと思った」。直後の8回に交代を命じた。
「来年日本でプレーしたかったら、そういうところもしっかりしてもらわないと」という言葉も「いい選手なんですからね。足も速いし」と期待しているからこそでもある。アルカンタラにとっては異国での初めてのシーズン。ビッグボスはその大変さが誰よりも分かるからこそ、カード初戦の試合後には「メンディー(アルカンタラ)がちょっとよくないですね。何かのきっかけを僕が、アドバイスというか、やらないと変わらないかな」と心配し、17日に代打でフェンス直撃の二塁打を放つと大喜びした。しかしこの日は接戦の中で痛恨のミスが重なり、黙ってはいられなかった。
今季7度目の同一カード3連敗で、楽天戦は5勝13敗となった。「なんでしょう。んー、なんでしょう」。その表情には、煮え切らない思いが表れていた。
(町田利衣 / Rie Machida)