大阪桐蔭主将も「のまれそうになる」 下関国際の逆転呼んだ“甲子園の魔物”

下関国際に敗れた大阪桐蔭【写真:共同通信社】
下関国際に敗れた大阪桐蔭【写真:共同通信社】

下関国際の最終回の攻撃時に球場を包んだ大きな拍手

 異様な雰囲気で9回表が始まった。第104回全国高校野球選手権大会は18日、甲子園球場で準々決勝を行い、第3試合では下関国際(山口)が5-4で大阪桐蔭(大阪)を下して初のベスト4進出を決めた。下関国際は1点ビハインドで迎えた9回に、2点を奪い逆転勝ち。攻撃が始まると、応援に合わせて球場全体から大きな拍手が起こって攻撃を後押し。大阪桐蔭の選手の言葉に耳を傾けると、そこにはまさに“魔物”がいたかのようだ。

 下関国際は8回、リリーフしていた仲井慎投手(3年)が1死二、三塁から2者連続で空振り三振を奪って、9回へつなげた。攻撃が始まると、場内から大きな拍手。さらにブラスバンドの演奏が始まると、それに合わせた拍手が球場に地鳴りのように響いた。先頭の赤瀬健心外野手(3年)、松本竜之介内野手(3年)の連打が飛び出すと、ボルテージは更に上がり、手拍子が大きくなった。犠打の後、大応援の中で賀谷勇斗内野手(3年)に中前へ抜ける逆転適時打が飛び出した。

 その裏、大阪桐蔭の攻撃時にも手拍子が起こってはいたが、音量が違った。選抜も制した大阪桐蔭も、流れを跳ね返すことはできなかった。逆転打を放った賀谷は「1球1球、大きな歓声がわいて、力になったと思います」と後押しに感謝していた。

 下関国際の坂原秀尚監督は「いやぁ、私も初めてですので。球場の雰囲気がガラッと変わった。その後押しもかなり本校にとっては大きかったと思います」と驚いた表情。「特に2番バッターの松本が、追い込まれながらも粘って三遊間を破ったあたりは、会場の雰囲気が大きかったなと思います」と振り返った。

大阪桐蔭の二塁を守る星子は異様な雰囲気に「のまれそうに」

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY