下馬評は“仙台育英有利”も…下関国際が見出す勝機 好投手を続々攻略の“しぶとさ”

好投手を撃破してきた「粘りの打撃」を徹底できるか

 対する仙台育英は、140キロを超えるボールを投げる5投手の継投で勝ち上がってきた。背番号1を背負う古川翼投手(3年)、背番号10の斎藤蓉投手(3年)の2人は準決勝では登板しておらず、18日の準々決勝から中3日となり、休養も取れている。ここまで全4試合で登板した下関国際の古賀、仲井と比べると、投手の疲労という点では仙台育英が有利だろう。

 下関国際は初戦でプロ注目の富島(宮崎)・日高暖己投手(3年)から5点を奪って勝利。以降も大阪桐蔭の最速150キロ右腕・別所孝亮投手(3年)、2年生左腕・前田から複数得点を奪い、近江・山田に対しては序盤、中盤に効果的に得点。坂原監督も「中盤以降見極められた」と、ボール球に手を出さず、コンパクトな打撃を徹底させた。

 象徴的だったのは、近江戦の同点で迎えた6回1死満塁。森凜琥内野手(3年)が148キロの内角直球を右翼線にポトリと落とした2点適時打は、ノーステップ&短く持ったバットで食らいついた一打だった。近江の多賀章仁監督も「山田が一番こたえるバッティングをされた」と苦渋の表情。「2ストライクまでは行くんですけど、各バッターが気持ちを見せていた。追い込んでからちょっと甘く入るとしっかり食らいつかれた」と脱帽だった。

 古賀、仲井はともに今大会防御率は1点台。仙台育英も盤石な投手陣で、ロースコアの展開が予想される。下関国際打線が、仙台育英の多彩な投手たち、それぞれに対応できるかがカギとなる。どの投手に対しても、近江・山田相手に見せたような“こたえる”打撃を徹底し、細かい得点を積み重ねながら、古賀、仲井がこれまで通りの投球を展開できれば、勝機は見えてくるはずだ。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY