「打っても打たなくても変わらない姿を」 日本ハム2年目・細川凌平が守り続ける“イチロー流”
高校球児に影響を与え続けるイチロー氏…細川凌平はその“1期生”
高校球界に“イチロー旋風”が吹いている。直接指導を受けた高校が軒並み好成績を残しているのだ。現在行われている第104回全国高校野球選手権でも、プロ注目のスラッガー浅野翔吾外野手を擁する高松商(香川)が8強入りを果たした。今春の選抜では、国学院久我山(東京)が4強に進出した。影響を受けた選手は、口々に“イチロー流”に触れての驚きや変化を語っている。
そして、この“伝説”の出発点となったのが、昨夏の甲子園で頂点に立った智弁和歌山だ。イチロー氏が2020年の冬、初めて高校生を指導したのがここだった。そして薫陶を受けた選手の中には、卒業を控えた細川凌平内野手がいた。すでに日本ハムからドラフト4巡目で指名を受けており、プロへ進むことが決まっていた。今春のキャンプでは新庄剛志監督にも注目された細川は今、どうしているのだろうか。
決して、平坦な道を歩いているわけではない。山あり谷ありだ。細川はルーキーだった昨年10月18日の楽天戦(楽天生命)で、1軍初出場と初安打を記録した。ただ今季は苦しんでいる。開幕直後の4月2日に1軍昇格したものの、20日間で8打数無安打に終わり4月23日には2軍へ逆戻り。コロナ禍で1軍の野手が不足した7月にも再昇格したが、再び短い1軍生活に終わった。2軍でも56試合に出場して打率.160だ。(8月20日現在)
「結果は思うようについてきていない部分はありますけど、その中で自分が今できること、取り組んでいるところに対して軸を持ってやっていかないといけないと思うんです。今出た結果に対して『結果出えへんかった』と思っても変えられない。でも次の打席や明日の打席の結果は変えられます。結果が出てないから何かを変えるとなると、悪い時の引き出しができませんし。自分が憧れ続けているイチローさんは、打っても打たなくても変わらない姿をずっと見せているじゃないですか」
日々の結果に左右されず、自分のやるべきことをやる。それこそ細川が“イチロー流”として取り込んでいる最大の教えなのだ。