下関国際・坂原監督、涙のナイン称える　「下関に覚悟を持ってきてくれてありがとう」

「子どもたちが可愛くて。可愛い子どもたちが泣いている姿を見て泣いてしまった」

　第104回全国高校野球選手権大会は22日、甲子園で決勝戦が行われ下関国際（山口）は1-8で仙台育英（宮城）に敗れ、初優勝はならなかった。試合後、準優勝に終わった坂原秀尚監督は「よくぞここまで選手たちが戦ってくれた」と語った。

　この日もエース左腕・古賀康誠投手（3年）が先発。3回まで無失点に抑えていたが3回に先制を許し、4回も2点を失い降板。4回途中からマウンドに上がった仲井慎投手（3年）も7回に満塁ホームランを浴びるなど5失点と仙台育英打線に捕まった。

　山口県勢、64年ぶりの優勝を逃したが、今春の選抜王者・大阪桐蔭や準優勝・近江を撃破するなど学校の歴史を変える大躍進を見せた。惜しくも優勝を逃したが坂原監督は「ウイニングボールどころか、それより大切なものを貰ったので十分です。彼らと過ごした2年半です」とナインを称えた。

　試合後はベンチ前に整列したナインたち一人一人に声をかけ労い、閉会式では準優勝の盾を手にする生徒の姿に涙を見せる場面もあった。最後もベンチ前で円陣を組み、死力を尽くしたナインたちに言葉をかけ続けた。

「子どもたちが可愛くて。可愛い子どもたちが泣いている姿を見て泣いてしまった。下関に覚悟を持って来てくれた3年生たち。うちに来てくれてありがとう。この舞台に連れて来てくれて、ありがとう」

　140キロを超える投手陣を揃え、巧みな継投策で勝ち上がってきた仙台育英に力負けし「我々が思っているより想像を絶する層の厚さだった。我々は2枚、多くて3枚。5枚を擁した仙台育英さん。決勝戦を戦えるチームを作って、また戻っていきたい」と、相手を称えリベンジを誓った。

　就任当初から「弱者が強者に勝つ」を掲げてきた指揮官。準優勝を果たしたが「高校野球ですので、まず諦めないこと。2年半、選手はどこで成長するか分からない。決勝戦に上がってくれた彼らが証明してくれた」と語っていた。

（Full-Count編集部）