「育成と勝利、両方を獲得する」“5枚看板”で甲子園に新風…仙台育英監督の信念

高校時代は仙台育英で補欠「どうすれば試合に出られるか見えなくて…」

 須江監督は高校時代、仙台育英の野球部員として3年間を過ごした。「僕がレギュラーになるのは夢のまた夢だったんですけど、何をどうすれば試合に出られるのかなというのが見えなくて」。3年間補欠だった経験から、メンバー選考の基準を選手たちに示すことが必要だと感じていた。

 監督就任後、選手たちの成績、投げる、打つなどの能力は全てデータ化され、部員全員が見ることができるようにした。この数値がメンバー選びに直結し、選手それぞれが自分に何が足りないのか、何を鍛えればいいのかを可視化することで、チーム内の競争を図った。

 仙台育英の監督就任前、須江監督は仙台育英学園秀光中を率いて2014年に全国大会で優勝している。「宮城や東北の子たちが劣っているわけがない」「高校野球で活躍できる子を育てよう」との思いを胸に、指導に力を注いできた。母校就任後もその強い思いは変わらなかった。こだわった選手起用と育成で、見事に「育成と勝利」の両方を手にした。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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