酷暑の時間帯は試合を回避…子どもたちの全国野球大会で今夏実施、チームの反応は

全日本軟式野球連盟が取り組む熱中症対策とは?【写真:小林靖】
全日本軟式野球連盟が取り組む熱中症対策とは?【写真:小林靖】

ガールズトーナメント&マクドナルド杯で正午から午後4時まで試合なし

 暑さ対策の新たなスタンダードになるかもしれない。全日本軟式野球連盟は今夏、主催した2つの全国大会で最も気温が高くなる時間帯の試合を避ける日程を初めて組んだ。選手たちを厳しい暑さから守ることが目的で、期間中に熱中症になった選手はいなかった。大会に参加したチームからも賛同するアンケート結果が出ている。

 炎天下でのプレーは時に、観戦している方も危険と感じてしまう。ひと昔前とは明らかに違う暑さに、全日本軟式野球連盟(JSBB)は策を講じた。7月下旬から8月上旬にかけて石川県で開催した「NPBガールズトーナメント2022 全日本女子学童軟式野球大会」で、最も気温が上がる時間帯の試合開催を避けて運営した。

 当初「NPBガールズトーナメント」は午前にも午後にも試合を予定していたが、午前8時半からと10時半からの2試合のみとした。熱中症の危険性が最も高いと言われる正午から午後4時までの試合を回避するためだ。

 JSBBによると、大会後に参加したチームに時間帯の変更に関するアンケートを取った結果、約56%が「とても良かった」と回答。「良かった」と合わせると8割を超えた。残りの約17%は「普通」、「悪かった」と答えたチームは5%に満たなかった。

 8月8日から東京都で1週間開催した「高円宮賜杯第42回全日本学童軟式野球大会 マクドナルド・トーナメント」でも、正午から午後4時までは試合を実施しなかった。午前中の試合は午前8時半からと10時25分からの2試合。4時間の休養を挟んで、午後は4時からと午後5時55分からの2試合とした。昨年までと比べると1日当たりに1つの会場で消化する試合数が減るため、試合会場を1か所増やして対応した。

 これまでJSBBは子どもたちの安全と健康を考えて、夏場の大会では試合中に給水の時間を設けたり、開会式や閉会式で選手を着座させたりしてきた。今年はさらなる対策に踏み切った形だ。大会に参加するチームなどから理解を得た上で、来年以降も正午から午後4時の試合を避ける大会運営を継続する意向を示している。

(Full-Count編集部)

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