阪神は10連敗中だった「左腕」を攻略できたのか? 専門家が指摘する「苦にする理由」

「少しのタイミングのズレが左腕、特に緩急を武器にする速球派を打てない原因の一つ」

 新井氏は阪神打者のバットのヘッドの使い方に注目し「最初にヘッドが投手側に入っているのは問題ない。だが、ステップ踏んでもヘッドが入ったままの状態が気になった。打者としては『よし』と思ったタイミングでスイングしているが、少しのズレが生じているように見える」と指摘する。現に140キロ後半の直球とカーブ、スライダーを武器にする小笠原から初回こそ3点を奪ったが、2回以降は3安打に封じられた。

 特に右打者は内角の速球に遅れて仕留めきれず、外角の抜き球で空振り、打ち損じが目立ったという。「左腕を苦にするには理由がある。打者の心理としては速球は早く対応して打ちたい気持ちになる。そうなると外角の沈む変化球を引っ掛けたり、タイミングが合わず空振りになり悪循環に陥る」と新井氏。

「変化球主体の投手なら何とかなるかもしれないが、ヘッドが入り過ぎると、それを戻すのに力と時間がかかり遅れてしまう。少しのタイミングのズレが左腕、特に緩急を武器にする速球派を打てない原因の一つではないかと思います」

 チームはこの日で120試合を消化し、58勝60敗2分でリーグ3位を死守している。クライマックスシリーズ進出をかけた戦いは残り24試合。苦手左腕の克服は必要不可欠になってくる。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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