西武のサブマリンが記録する“驚異の数字”とは? データが示す手玉に取る投球術
さまざまな球速の変化球を使い分け、打者を手玉に取る
最後に打席の“結果球”の割合を。與座は120~130km/h台の速球に加え、スライダー、シンカー、チェンジアップ、カーブといった多彩な球種を操る。その中でも、割合としては直球が約55%と半数以上を占めており、あくまで投球の軸は速球であることがうかがえる。
また、スライダーとシンカーという逆方向に曲がる2つの球種は、それぞれ時速120キロ前後というほぼ同じ速さで変化する。スライダーは24.8%と全体の約1/4に達し、シンカーも8.6%と一定の頻度で投じている。速球に近い球速から変化するこの2球種は、打たせて取る投球に適している。それだけに、決め球に使う割合が多いのも納得だ。
また、この2球種より少し遅い110〜120キロ台のチェンジアップに加え、時には100キロを下回ることもあるカーブも、投球のアクセントとして用いている。カーブは約9%と、結果球となる割合はシンカーよりも多い。與座投手としても、独特のスローカーブには一定の信頼を置いていると考えられる。
速球を軸としながらさまざまな変化球を使い分け、あらゆる球がストライクゾーン内に制球される。打者としては幅広い球速帯に備えなければならず、狙い球が外れると打ち損じの可能性が高くなってしまう。これらの数字からも、優れたコントロールを生かした緩急自在のピッチングで凡打の山を築き、文字通り打者を手玉に取っていることが伝わってくる。