「3球でアウトになってもいい」オリックスJr.監督が伝えたい“野球のあるべき姿”

「極論、3球でアウトになってもいいよ」

　技術以外にも必要なことはある。ある試合で2死三塁の場面で打席に入った選手が、何度もベンチを見ることがあった。1球1球サインを確認する姿に小川氏は違和感を抱いた。

「打つしかない場面で監督を気にする。2ボール0ストライクからでも思いっきり打ったらいい。極論、3球でアウトになってもいいよ、と伝えている。まずはバットを振る勇気。小学生には投げる、打つことの楽しさを教えてあげないといけない」

　周りの目を気にしミスを恐れ、本来の実力を発揮できない選手は多い。小学生の頃からプレッシャーに押しつぶされ、野球が嫌になり辞めていく。「プロでも失敗するのに小学生に何を求めているのか。僕はとにかく野球を楽しむことを伝えていきたいですね」。小川氏はそんな環境を変えていきたいと心から願っている。

（橋本健吾 / Kengo Hashimoto）