阪神バッテリーが「操れていたからこそ裏目に」 中田翔に浴びたV弾は“悔やまれる1球”
阪神バッテリーは中田を第1打席、第2打席は力のある直球で抑えるも…
チャンスボールを見逃さなかった。中田は2回の第1打席は148キロの直球に遊ゴロ、4回の第2打席は152キロの直球で3球三振。力のあるストレートを打ちあぐねていたが、決勝2ランを放った打席は初球のフォークを完璧に捉えた。直前には四球で出塁した丸に代走・増田大を送る“原采配”もあったが「西純としてはそこまで走者は気になっていないと思います。クイックもうまく初回の盗塁(坂本が二盗失敗)も封じていた。問題があるとすれば初球の入り方ではないでしょうか」と指摘する。
今シーズンの中田は半速球を逃さず、本塁打を積み重ねる傾向があり「中田の打撃を見ていると速球は逆方向にパンチショットで打つシーンを見るが、彼らしい豪快な一発はほとんどが半速球。膝元の半速球が彼が最もフルスイング、パワーを発揮できる部分」と新井氏は見ている。
それだけに、阪神バッテリーが一発を警戒する場面で選んだ1球。「あれだけ直球で抑えていた打者にフォークを選択したのが失敗だったかもしれません。捕手の坂本からすればボールゾーンでOKだったがストライクゾーンに入った。西純がフォークをあれだけ操れていたことが、裏目になったのではないか」。阪神サイドからすれば、西純が6回まで1安打無得点に抑えていただけに悔やまれる1球だった。
阪神戦は7カードぶりに勝ち越し、3位までのゲーム差は「2」に縮まった。シーズン終盤で意地を見せる巨人。CS争いはまだまだ分からない。