悩める野球ママ救う82歳の「おばちゃん」 続々と選手集う秘訣は“女性指導者”

「学校に行かない」「ゲームをやめない」 野球以外の悩みにも助言

 そこで、大きな役割を担うのが、チームの“相談役”として選手から「おばちゃん」と親しまれる82歳の棚原さんだ。母親たちは棚原さんに気軽に話しかけ、「家で子どもが言うことを聞かない」「学校を登校拒否している」「ゲームをやめられない」など様々な悩みを相談する。棚原さんは1つ1つの相談に対し、これまでの経験や知識をもとにアドバイスを送っているという。

「登校拒否をしていた子には、『どのくらいだったら辛抱できる?』と聞き、週2回の登校を約束しました。ゲーム好きの子も、『2時間まで』と決めました。お母さんから言われると受け入れにくい部分もある。皆(約束を)守ってくれているみたいです」

 野球とは無関係な内容でも、保護者の力になる。結果的には、子どもたちのためにもなっている。チームの評判は口コミで広がり、今では「生活態度が悪いのでウルフに入れます」「ウルフに入れたら子どもが家の手伝いをするようになりました」といった保護者もいるという。少年野球では、保護者の手助けは欠かせない。野球ママの気持ちを理解し、アドバイスできる女性指導者の存在が大きな拠り所となっている。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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