マドン前監督が語る大谷翔平の本質 称賛する“野球脳”「彼ほどIQが高い選手はいない」
大谷翔平は「打者を観察して試合中に修正していく」
2020年シーズンから今季途中までエンゼルスを指揮したジョー・マドン氏。メジャー通算1382勝をマークした名将にとっても大谷翔平投手は“別格”だったようだ。ポッドキャスト番組に出演し、「彼ほど野球に関するIQが高い選手はいない。野球に関するIQは驚異的だ」と絶賛している。
大谷の投打二刀流の能力を最大限に引き出したマドン氏が、高く評価しているのが“野球IQ”だ。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のポッドキャスト番組「ジ・アスレチック・ベースボール・ショー」に出演し、カブス、フィリーズで通算1100安打を記録したダグ・グランビル氏らと意見を交わす中で、大谷の“本質”を語った。
マドン氏は「この男はスカウティングレポートを必要としない。打者でも投手でも、疑問に思うことがあって聞いてくれば情報を渡せばいい。そうでなければ立ち入らないことだ。そういうことはみなさんが思うよりずっと多く起きる」と説明。手術した右肘の状態も回復し、“本格化”した昨年以降の投球について「彼はとにかく競い合うのが好きだ。打者を観察して自分の感覚もわかっていて試合中に修正していく」と解説した。
このアプローチは、カブスを指揮していた当時に在籍していたダルビッシュ有投手(パドレス)と共通していたという。「ユウ・ダルビッシュも同じようなやり方だった。2人のピッチングは似ていると思った。投げながら作り上げていくという点がね」と振り返りる。マドン氏によると、ダルビッシュは当時同僚のカイル・ヘンドリクスにチェンジアップの握りを聞いて直後の試合に使ったことがあるといい「これはショウヘイと同じだ。野球に対する感覚があまりに鋭い。これまで私が関わってきた選手の中で、彼(オオタニ)ほど野球に関するIQが高い選手はいない」と称賛した。
長い指導者歴でマドン氏がそう感じたのは、エンゼルスやカージナルスで活躍して通算1949安打&393本塁打をマークしたジム・エドモンズと大谷だけだといい「ジムとショウヘイの野球に関するIQは驚異的だ。彼(オオタニ)は他の誰よりも少し早く色々なことに気付く」と述べている。マドン氏は、大谷は「怪我さえなければ(二刀流を)しばらく続けられるだろう」とも語った。2599試合で指揮を執った68歳にとっても、大谷はあらゆる面で抜きんでた存在のようだ。
(Full-Count編集部)