「野球が選択肢に入っていない」普及続けるNPBが危機感募らせた子どもへの“調査結果”

NPB12球団ジュニアトーナメント、ガールズトーナメントで伝えたい野球の魅力

 園児が野球に興味を持って小学生でチームに入った時、目標となる舞台も用意している。年末の恒例となっている「NPB12球団ジュニアトーナメント」は、今年で18回目を迎える。全国各地から世代トップレベルの小学5、6年生が出場する大会で、70人以上のプロ野球選手が過去に出場している。年々、注目を集める大きな大会になってきているが、NPBが伝えたいことは全国のトップを極める「勝利」の大切さではなく、怪我予防のための肘肩検診や球数制限、全員が出場して試合を楽しむことができる「リエントリー制度」など、野球少年の未来、喜びを作る新しいルールに重きを置いている。

 小学生の女子チームを対象にした全国大会「NPBガールズトーナメント」は今夏、10年目となった。参加チームの都道府県数は第1回大会の29から、42まで増えた。競技人口は着実に増加し、女子野球が全国へ広がっている証といえる。平田室長は「大会を開催した当初は、1、2回戦で大差がつく試合が多かったですが、今年の大会を見ていると、都道府県による力の差が小さく、技術が向上していると感じました。継続する大切さが身に染みています。47都道府県全てから参加してもらえるように環境を整えていくことが、普及にもつながると考えています」と成果を口にした。

 野球界は他の競技と比べて、裾野を広げる活動で後れを取った。だが、地道に継続している取り組みが、結果として表れてきた部分もある。「競技人口を増やすためには、野球を経験して、面白さを知ってもらうのが一番だと思います。興味がない子どもや保護者に、いかにアプローチしていくかが課題です。ボール遊びの楽しさを知って野球を始めた子どもたちが甲子園やプロを目指し、そういった夢や目標があることで少年野球の人口が増えるようなサイクルで回していけたらと思っています」と平田室長。競技人口の減少に危機感を抱きながらも、明るい将来も描いている。

(間淳 / Jun Aida)

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