オリ杉本の覚醒を促した元プロの打撃理論 少年野球の常識覆す「鬼ダウンスイング」

身振り手振りを交えて指導する根鈴雄次さん【写真:編集部】
身振り手振りを交えて指導する根鈴雄次さん【写真:編集部】

ゴルフやクリケットにヒント…ポイントは胸郭の動かし方

 この時に大事になるのは、胸郭を縦に動かすこと。胸郭を縦に動かすと、首の位置が変わらなくなるという。根鈴さんは「バットを横に振ると、首を固定しているつもりでも、顎1つ分くらい前に出てしまいます。体がぶれるので、打撃に悪影響が出ます」と説明する。

 縦にスイングすることでライナー性の打球を増えると根鈴さんが考える根拠は、ゴルフやクリケットにヒントがある。どちらの競技も、クラブやバット縦に振って球を飛ばす。この際、例えばゴルフであれば、クラブにフェースと呼ばれる面があり、縦に振ったクラブと球がぶつかる時に角度が付いているため、球は浮く。同じようにバットを縦にスイングして投球を捉える時に角度を付ければ、バットを振り上げなくても、バットに当たるだけで自然と打球は上がるという理論だ。

 根鈴さんの打撃指導で誤解されがちなのは、極端なアッパースイングと判断されているところだという。投球を捉えた後、バットを振り上げているように見えるため、一見アッパースイングに感じる。しかし、大事なのは投球にバットを当てるまでの動きで、その後のスイング軌道には意味がない。

“鬼ダウンスイング”の見本は大谷翔平の同僚・トラウト

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