大谷翔平、右手マメはW規定到達の致命傷になるのか? 終盤で試される故障回避能力
元々マメのできやすい体質、メジャー移籍後は“通算4度目”の降板理由に
■エンゼルス 6ー1 アストロズ(日本時間11日・ヒューストン)
エンゼルスの大谷翔平投手は10日(日本時間11日)、敵地・アストロズ戦で5回6安打1失点と好投し、今季12勝目を挙げた。しかし、6回の投球練習中に異変を訴えて緊急降板。試合後、大谷は右手中指のマメで降板となったと明かした。
大谷にとって右手中指マメは“弁慶の泣き所”。これまでも再三悩まされてきた。元々、マメができやすい体質で、NPB時代は5年間で少なくとも3試合で降板の要因に。2016年7月10日のロッテ戦では完全にマメを潰し、先発投手復帰したのは約2か月後だった。メジャー移籍後も2018年4月17日のレッドソックス戦、同年6月6日の本拠地・ロイヤルズ戦と同じ理由で降板。昨季も開幕前最終登板となった3月29日のドジャース戦で発症。4月4日のシーズン初登板は乗り切ったものの、その後は中15日を空けてから復帰となった。
今回の右手中指のマメは、初の規定投球回やシーズン200奪三振の“致命傷”になるのか――。患部の状態が心配されたが、大谷も“慣れっ子”の様子。「深刻になる前に代わった」「次に響く前に降りた」などと軽傷を強調した。ホッと一安心。チーム残り23試合。3登板、もしくは4登板で偉業ラッシュの期待がかかる。
ちなみに、投手でよく聞かれるマメによる降板。NPB時代、大谷の投手コーチだった黒木知宏氏は当時、キャンプ中から投げ込んで指先を固くするしかない、と話していた。とは言っても今はシーズン最終盤。ヤンキース・ジャッジとの熾烈なMVPレースの真っ只中にいる。
前回登板後、大谷は「今までの予定通りにしっかりとコンディションを整えて、毎試合投げるというのが一番の目標」と謙虚に語っていた。ローテーション通りなら次回登板は17日(同18日)の本拠地・マリナーズ戦。まずは、ネビン監督代行が「誰よりも自分の体をうまく管理している」という“故障回避能力”の見せ所だ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)