今季13人が入って打率.216 西武の積年の懸案“1番打者”がV奪還のラストピース?
約1か月ぶりに1軍に復帰した金子侑司が早速2安打の活躍
■西武 3ー0 日本ハム(11日・ベルーナドーム)
終幕寸前に“スピードスター”が間に合った。右太もも裏の肉離れで戦列を離れていた西武・金子侑司外野手が11日、約1か月ぶりに1軍に復帰し、早速、本拠地ベルーナドームで行われた日本ハム戦に「1番・左翼」でスタメン出場。守っては美技、打っては4打数2安打の活躍で、チームを3-0の勝利に導いた。パ・リーグはソフトバンク、西武、オリックスがゲーム差ゼロで並ぶ大混戦に。西武にとっては金子が、低調な打線を活性化するキーマンとなるかもしれない。
まずは守備で魅せた。1-0とリードして迎えた3回。1死から日本ハム・近藤が放った左前への飛球を、地面スレスレでスライディングキャッチ。この瞬間、2万6539人が詰めかけたスタンドはどよめき、拍手が沸き起こった。「すごい声援をいただきました。こんなにやってもらえるのかと……あれで(1軍に)帰って来れたと思えましたし、直後の打席へ気持ちよく向かうことができました」と感慨深げに振り返った。
その裏の攻撃では、先頭打者として打席に入り、日本ハム先発・ポンセの真ん中高めの速球を叩く。打球は中堅手の右を抜け、金子は俊足を飛ばして一気に三塁を陥れた。「久しぶりの1軍で、本当に緊張していました。なんとか食らいついて、前へ飛ばそうとだけ思っていました。打った瞬間は、飛んでいってくれ、抜けてくれと祈りました」と息を弾ませた。続く源田壮亮内野手の“2者連続”となる三塁打でホームイン。金子は5回の第3打席でも、外角の147キロ速球に逆らわず、左前打を放った。
西武にとって1番打者は、長年の懸案である。現広島の秋山翔吾外野手がメジャー移籍のために2019年限りで退団した後、3年間定着する選手が現れていない。今季もこれまで13人が入れ替わり立ち替わり務めたが、1番打者の打率は通算.216(515打数111安打)と低迷。金子自身は今季3試合目のリードオフマンだった。