ハマスタに現れる“嶺井一族”って何者? 売れ残りユニ買占めから1000人動員への道
親族は4年に1度“ミネリンピック”と称される大運動会を開催
今季はプロ9年目でほぼ1軍に帯同し、正捕手争いをリード。キャリア最高といえるほどの成績を残している。知念さんも「応援しがいがあります。観戦会も今年が一番盛り上がっています」も鼻高々。「39」のユニホームを着たファンを目にする機会も増え、グッズショップを訪れると嶺井タオルが売り切れていたそうで「こんな日が来るなんて」と感激の面持ちだった。嶺井の父・博敏さんも、この騒ぎに「凄いね。自分の息子じゃないみたい」と目を丸くした。
ファンクラブの会員たちは、嶺井の魅力について「礼儀正しく腰が低い」「沖縄キャンプでサインをもらったときに優しい対応で好きになった」「温かみがある」などと口をそろえて「人柄」をあげる。それを聞いた博敏さんは「親に似たのかな、ハハハ」と豪快に笑い、嶺井ファンクラブらしい温かい空気が流れた。
ところで、ファンクラブの団結力も凄いが、本物の“嶺井一族”もまた凄い。嶺井の曽祖母キクさんが7人きょうだいの長女で、そこからどんどん増えた親族は現在全国に400人弱いるのだという。なお次女のトヨさんが現在98歳で“嶺井家”の最高齢だ。
絆もハンパない。4年に一度、夏季五輪イヤーに合わせて親族が集結して大運動会を開催。通称“ミネリンピック”は、お年寄りから幼い子まで250人ほどが参加者し、5チームに分かれてさまざまな競技を行い絆を深める。新型コロナウイルスの影響で2021年は中止したが、博敏さんは「パリオリンピックの年からまたやれれば」と2024年の復活を見据えた。なお冬季五輪の年には忘年会を開催。こちらも200人ほどが参加するそうで、もう規模が大きすぎる。
チームを支える「ハマのシーサー」は、超団結力の強いファンクラブ会員と全国の親族に見守られながら、プロ野球の世界で戦っている。
(町田利衣 / Rie Machida)