芸能界引退して「一流になるか三流になるか」 EXILE黒木の“決断”に五十嵐「ワクワク」
元メジャー五十嵐亮太×EXILE黒木啓司③「美学と挑戦」――同世代対談「極める」第2弾
日米23年のプロ野球生活を送った五十嵐亮太さんが、各界のトップで活躍する“同世代”と対談するシリーズ「極める」。第2弾のゲストは、EXILEの黒木啓司さん。絶賛開催中の「EXILE LIVE TOUR 2022 “POWER OF WISH”」を最後に芸能界からの引退を発表。元高校球児の2人による全3回シリーズの最終回のテーマは「美学と挑戦」だ。
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五十嵐:黒木さんはこのドームツアーを最後に引退ですよね。自分で決めたんですか?
黒木:EXILEに入って14年間、やりきった思いもありますし、体力の限界もあるので、一度区切りをつけたいと思いました。
五十嵐:踊っていてしんどくなったとか、キレがなくなったとか感じるんですか?
黒木:38歳頃から少しずつ感じ始めて、40歳を越えて「あれ?」と。今42歳で、まだ見た目は若いし、踊れているように見えるけど、それは周りに若い子たちがいるおかげです。
五十嵐:限界を感じるタイミングは野球も似ています。野球には年齢を重ねたなりの投球や打ち取り方に変化していくので、ダンスも見せ方があるなら続けても大丈夫じゃないですか?
黒木:そこは自分の美学ですかね。今回も芸能界を引退すると言ったら、惜しいと言ってくれる人がたくさんいた。ファンの方には申し訳ないんですが、華のあるうちに注目されながら、しかもドームツアーで終われるなんて、芸能界でもほとんどいない。これも自分なりのエンターテインメントなのかなと。
五十嵐:なるほど。
黒木:カズ(三浦知良)さんや山本昌さんみたいなスタイルもすごく格好いいけど、僕にはできません。
五十嵐:引退の決断は苦しくなかったですか?
黒木:元々、自分では35歳くらいまでかなと思っていたんですよ。それが少しずつ伸びていったら、世界的なコロナ禍。毎年あったツアーが1年以上もできず、カズさんや昌さんのように試合に出続ける=ツアーに出るリズムが途切れてしまった。オンラインの単発ライブは大丈夫でも、長期ツアーに出るのは限界かな、と。
五十嵐:それは分かる。ピッチャーも1試合、2試合は全力で投げられる。でも、シーズンを通して戦うとなると、話は別ですから。