元鷹助っ人、日本での経験で「情熱取り戻した」 史上初の快挙生んだ“覚醒”の転機
マルティネスは史上初「10先発以上、4H以上、8S以上」を達成
元ソフトバンクでパドレスのニック・マルティネス投手が、4年間を過ごした日本時代を振り返った。今季、史上初となる「10先発以上、4ホールド以上、8セーブ以上」を成し遂げ究極のユーティリティとして存在感を増す右腕は「日本での経験は、とてもユニークなものだった。人として、野球選手として、成長するための絶好の機会だった」などと語った。
パドレスの地元紙「サンディエゴ・ユニオントリビューン」に掲載されたインタビュー。今季から4年2550万ドル(約36億5000万円)の契約を結び「先発、スポット先発、ロングリリーバー、クローザーと様々な役割を担い、チームに欠かせない万能な投手となった。またチームを第一に考える彼の姿勢も称賛された」と評価されている。
セーブが記録として認められた1969年以降では初となる、1シーズン「10先発以上、4ホールド以上、8セーブ以上」を達成。マルティネスは「クールだよね。実は(記録のことは)知らなかったんだ。友達や家族からのメールで知ったんだよ。素敵なことだよ」と喜んだ。
2018年から3年間を日本ハム、2021年はソフトバンクで過ごした。日本では通算63試合に登板して21勝22敗、防御率3.02。この経験を振り返り「自分の技術を向上させるとてもいい機会でもあった。肉体的にもそうだけど、精神的にも成長したよ。チームを助けることができる立場に置かれたときに、何度もチームを勝利に導くことができた。その多くは、日本の仲間たちのおかげだと思ってるよ」と周囲に感謝する。
現在、マウンドでピンチになっても自信を持って投球できる要因も日本時代にあるという。「キャリアの初期には、そういう時に失敗したこともあった。ただ『自分ならできる』と信じることをやめなかった。日本でチャンスを得たことで、自分に自信が持てるようになった」とうなずいた。
日本の食べ物で恋しいものを聞かれると「ヤキニクって呼ばれてる、日本のバーベキューだね」と回答。さらに「日本のステーキは世界一だよ。すごくおいしい。そういうのがすごく恋しい。デザートもアメージングだよ。アイスクリームやペストリーは絶対に欠かせない。クッキーとかすごくシンプルなものでも本当においしいんだ。日本の食べ物はすごいよ」と懐かしんだ。
「実はテキサスでの最後の数年間は、精神状態があまりよくなかった。あの頃はかなりネガティブで、本来の私ではなかった。成長したい、もっとうまくなりたいという気持ちも失ってたよ。日本でプレーしたことで、情熱を取り戻すことができた。(日本で)技術を学んで向上させることができ、それが今(の成功)につながってる」。日本での4年間を“転機”に、マルティネスはいまやチームに欠かせない存在となっている。
(Full-Count編集部)