「僕の中では限界かな」 NPB復帰を目指した元阪神・伊藤隼太が迎えた“1つの区切り”

2打席目では手術した右肩を気にかけていた【写真:喜岡桜】
2打席目では手術した右肩を気にかけていた【写真:喜岡桜】

昨年10月に右肩手術「最後はボールを思い切り投げて終わりたかった」

 故障に苦しんだ2年間だった。選手兼任コーチとして愛媛に入団した後、開幕戦で帰塁時に右肩を負傷。関節脱臼および関節唇損傷と診断された。同個所の故障は3度目で、完治には手術と1年間のリハビリが必要だと明かしていた。NPBへの早期復帰を望んでいた伊藤は、一旦は手術ではなく保存療法とリハビリによる回復を試みたが、昨年10月、手術に踏み切った。

「リハビリの過程で、最後は野球選手として守備についてボールを思い切り投げて終わりたい気持ちがあった」というが、現在はボールを投げることすら困難な状態だ。今季は前期26試合と後期17試合(9月18日時点)に出場するも、指名打者もしくは代打のみ。さらに、この日の第2打席のスイング直後、手術した箇所を左手で抑えるなどの仕草も見られた。

「僕の中では限界かなっていうのは正直ある。その中でこうやって優勝がかかっている戦いで、ガチンコで勝負してくれて、(4打数2安打の)結果が出たので、今まで一生懸命やってきてよかったなと思います」。練習をすればするほど痛む右肩。できる限りのベストプレーを最優先とし、試合前の打撃練習を行わないこともあった。弓岡敬二郎監督の理解あってこその1年だった。

ドラ1入団、阪神での日々は「自分の中でかけがえのない財産」

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