三浦監督好みの“遅れてきた助っ人” 髪型と登場曲で醸す独特ムードに切り札の予感

巨人戦に先発したDeNAのロバート・ガゼルマン【写真:宮脇広久】
巨人戦に先発したDeNAのロバート・ガゼルマン【写真:宮脇広久】

異国で広がる投球の幅「日本の野球にはカーブが有効」

■巨人 2ー1 DeNA(21日・横浜)

 セ・リーグ2位以上の死守とCSへ向け、DeNAの切り札になるかもしれない。21日に本拠地・横浜スタジアムで行われた巨人戦で、7月に加入したロバート・ガゼルマン投手が2度目の先発。打線の援護に恵まれず来日初黒星を喫したものの、6回途中2失点と好投した。当初は中継ぎだったが、今月13日の中日戦(バンテリンドーム)に初先発して7回3安打無失点の快投を演じ、この日も安定感のある投球は変わらなかった。

 頭髪をトウモロコシ状に編み上げた、「コーンロウ」と呼ばれる独特のヘアスタイル。漫画「キン肉マンII世」に同名の超人“ガゼルマン”が登場することから、登場曲は「キン肉マン GO FIGHT」。独特のムードを醸し出す右腕が、巨人打線を丁寧に打たせて取っていく。

 初回2死三塁で中田にしぶとく中前に運ばれ、5回1死二、三塁では代打・若林の二ゴロの間に生還を許したものの、失点は2点のみ。4回にはいずれも148キロのツーシームで、3番・丸を一ゴロ、4番・中田を二ゴロ、5番・岡本を遊ゴロに仕留めた。

 5回1/3、92球で5安打3四球2失点。ガゼルマンは「ボールとしてはベストな状態ではなかったですが、粘り強く投げられたと思います。カウントを悪くしてしまい球数が多くなってしまったので、次回登板までにしっかり修正したい」と冷静に振り返った。三浦大輔監督は「持ち味であるゴロを打たせる投球ができていた。ヒットもゴロで抜けていったものが多く、持ち上げられる(長打になる恐れのある飛球を打たれる)ことなく投げてくれた」と合格点を与えた。

 1軍デビューとなった8月27日のヤクルト戦では、リリーフで1イニング4失点を喫し、2軍へ送り返されたが、先発配転がハマった。三浦監督は「コンディションが整わない中、1日も早く1軍の戦力になってもらうために、最初はリリーフで上がってきてもらいましたが、もともと先発として来てもらった投手ですから」と言い、「国際スカウトから聞いていた通り、マウンドさばき、しぐさ、間合いの作り方がうまくて、さすが経験のある投手だと思います」と評する。メジャーではメッツ、カブスで通算184試合登板中、34試合が先発だった。

 得意のツーシーム、スライダーの他、時おり混ぜる130キロ前後のナックルカーブも有効で、指揮官は「本人も『日本の野球にはカーブが有効だと聞いていたが、実際に打者の反応を見て、投球の幅が広がった』と言っていました」と明かす。中継ぎで打たれた時に悔しさを露わにしたところも三浦監督好みで、「非常にファイティングスピリットがあると思います」。遅れてやってきた助っ人が、貴重な存在として輝き始めた。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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