“2000万円のHR球”キャッチしたのに即返還 ジャッジの60号めぐる大学生の善行
ニューヨークの大学に通うケスラーさん「迷いはなかった」
ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手が放った60号を巡る“心温まる話”が、注目されている。MLB公式サイトによると、ホームランボールを見事キャッチしたのは20歳の大学生。2000万円は下らないという価値を持った白球を即座に返還した理由を語っている。
ジャッジは20日(日本時間21日)に本拠地で行われたパイレーツ戦で、9回の第5打席に、2試合連発となる60号ソロ。リーグ記録まで「1」と迫り、場内は熱狂に包まれた。米紙「USAトゥデイ」に寄稿しているボブ・ナイチンゲール記者は、オークション会社の情報として「60号HRボールの価値は10万ドル(約1400万円)から15万ドル(約2100万円)。62号(が出れば)50万ドル(約7200万円)以上」と伝えた。
そんなお宝ボールを幸運にもキャッチしたのが、ニューヨークの大学に通うマイケル・ケスラーさん。ジャッジの60号が見れるかもと地下鉄に飛び乗り、急遽向かったという。左翼席で観戦していたところ、期待通りの一発が飛び出した。わずか数秒の出来事を、興奮気味に語る。
「次々にいろんなことが起きた。僕らは外野席の最上段に立っていて、ジャッジの打席が来た時に下に降りた。HRだと分かったので、みんなで飛び上がって喜んだ。打球は外野席の上のほうに当たって、僕らがいたブロックのほうに転がってきた。僕は一目散でそこへ向かってボールをぎゅっと握りしめた」
家宝にするか、売りに出すかしてもいいものの、即座に返還。「ジャッジはヤンキースにとってあまりに大切な選手だ、特に今年はね。とにかく信じられないような選手だ。あの人となりだから、彼はボールを返してもらうべきなんだ。迷いはなかった」と言う。代わりにジャッジとの面会を果たし、友達の分も含めたサインボール4球とサイン入りバット1本をもらったようだ。
ヤンキースファンにとって、ジャッジは何物にも替えられない至宝。対面を果たした際に友人は残留を懇願したようで、ケスラーさんは「一緒にいた僕のルームメートが“お願いだから再契約してください”という感じだった」と笑って振り返っていた。
(Full-Count編集部)