西武・辻監督「気楽に勝ちに行きます」 “下克上”へ自信深める3本柱確立
辻監督「何か少しずつ、つかみつつあると思う」
これまでは、慎重になり過ぎて制球を乱し、辻発彦監督から「もっと自分のストレートに自信を持って、大胆に投げればいいのに」と苦言を呈されることが多かった。指揮官はこの日の松本を「あいつの長所はスピンが効いてスピードガン表示以上に感じさせる真っ直ぐです。一生懸命投げたら、そう感じないのですよ。今日のようにある程度リラックスしたフォームで、パチッと腕を振れて指にかかった時に、素晴らしい球が行く。何かそういう部分で少しずつ、つかみつつあると思う」と称賛した。
9回に守護神の増田達至投手が柳田に同点ソロを浴び、松本の今季7勝目は消えたが、延長11回に山川穂高内野手がサヨナラ2ランを放ち、胴上げ阻止に成功。CSへ向けてもソフトバンクに嫌なイメージを植え付けた。
開幕前から先発3本柱として期待されていた高橋、今井、松本が揃って調子を上げ、さらに今季10勝(1日現在)のディートリック・エンス投手、與座海人投手も控える。ファイナルステージも含めて先発ローテを組むことが可能で、ロースコアの展開になりがちな短期決戦で強みを発揮しそうだ。
辻監督就任後、2018、19年にリーグ連覇を果たしながら、いずれもCSで苦杯をなめ、日本シリーズに進めなかった。指揮官は「3位でCSに行ったことがないから、どうなるかわかりませんが、負けてもともと、気楽に、そして勝ちにいきます」と笑った。挑戦者の立場となった獅子は、実に不気味だ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)