今年の指名は「無理でしょう」 大学3年間未出場も…佐藤輝の弟が志望届を出したワケ
小、中学時代はヒットを意識…現在は長距離砲へモデルチェンジ中
高校時代は「どんぶり3~4杯くらいのご飯を食べて、脂肪が多い体型でした」。既に体重が97キロあったという。高校野球を終えた後に20キロ近く痩せてしまったが、大学入学から4年をかけ、食事とトレーニングで兄の体重を上回る98キロまで体を作り直した。「もっと増やせるはずです」とさらなるパワーアップに意欲を燃やす。ちなみに兄の身長、体重は公称で187センチ、94キロだ。
熱心に体作りをするのには理由があった。「たくさんヒットで出塁することを意識してきたんです」。恵まれた体格ながら幼い頃から長打を狙わない打撃に徹してきた。
しかし、高校では満足な成績を残せなくなり、大学で更に悩んだ。大きな体格を生かし、長距離砲を目指した結果、昨秋の非公式戦で9打数3安打3打点と結果を残すことができた。
兄と異なる右打ちの太紀が参考にしたのは、エンゼルスのマイク・トラウト外野手ら海の向こうで活躍するパワーヒッターだ。安打量産型だった頃は腕や上半身を意識することが多かったが、「今は、動画を見ながら主に下半身と体幹の使い方を意識しています。(トレーニングも)下半身が多いですね」と口にする。
「(兄と比べられることは)多いですね。でも、全然違いますから。何も思いません。兄の弟だから見に来てくれる人もいたりと、受けられている恩恵もありますので。プラマイゼロです」。決して自己評価は高くない。しかし、「(NPBへ)行けるなら、1年でも早く行きたいですよ」と語気を強める。
大きな可能性を秘めた血が流れていることは、兄がしっかりと証明している。まだまだ、発展途上の太紀は自らの可能性を追い求めていく。