なぜ2軍でタイトル獲っても戦力外に? 難しい“伸びしろ判断”とチームでの立ち位置

戦力外となった中日のマルク(左)と巨人のエスタミー・ウレーニャ【写真:小西亮、荒川祐史】
戦力外となった中日のマルク(左)と巨人のエスタミー・ウレーニャ【写真:小西亮、荒川祐史】

中日のマルクは2軍で最多タイ12セーブ挙げるも戦力外

 プロ野球はレギュラーシーズンが終わり、各球団で戦力外通告が本格化している。中には、2軍で個人タイトルを獲得しながらも、岐路に立たされた選手もいる。来季を見据え、難しい“1軍戦力”としての伸びしろ判断と、チーム事情も絡んでくる。

 巨人では、育成のエスタミー・ウレーニャ内野手が戦力外に。今季イースタン・リーグで57打点をマークし、ヤクルトの松本友内野手と並んで打点王に輝いた。2019年オフに育成契約で巨人に入団し、翌2020年に支配下登録をつかんだが、今季からに再び育成に。ファームで結果を残すも、2度目の支配下はかなわなかった。

 中日でも、ウエスタン・リーグでトップタイの13セーブを挙げたマルク投手が球団から通告を受けた。2017年の育成ドラフト2位で入団。2020年途中に支配下契約を勝ち取って1軍デビューも果たしたが、2021年は1軍登板なし。今季は6月のわずか2試合登板に終わっていた。

 選手育成の場でもある2軍。好成績を残せば、その分1軍昇格に近づくのは間違いない。ただ、セーブや打点のように“積み重ね”の記録は、長く2軍暮らしが続いていたという裏返しでもある。2軍での成績は、査定対象に入らないケースも。「ファームではいいんだけどなぁ」と首を傾げる首脳陣のため息が、あちらこちらで聞かれるのも事実だ。

 あとは選手自身の伸びしろに対する球団側の判断と、チーム内の“立ち位置”も複雑に絡み合ってくる。例えばマルクだと、大卒5年目の27歳。チームのリリーフ右腕では、11月に23歳を迎える同期入団の清水達也投手がセットアッパーとして台頭。24歳の藤嶋健人投手もキャリア最多の50試合登板を数えた。さらにチーム最多タイの56試合に登板して防御率1.15と抜群の安定感を誇ったロドリゲス投手や4年連続30試合以上登板の谷元圭介投手ら群雄割拠の状態だった。

 2軍での日々は飛躍への土台になる場合もある一方、長すぎる2軍生活で結果的に1軍の居場所がなくなる場合も。タイトルホルダーだからと言って、来季の契約が確約されるわけではない。

(Full-Count編集部)

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