中日を戦力外となった「花火の人」 滝野要のプロ初安打が起こした“奇跡の光景”
プロ通算8安打も「花火のおかげで存在を知ってくれている人もいる」
あれから2年後、4年間の現役生活に区切りが訪れた。1軍で通算59試合に出場し、放ったのは8安打。プロとしては結果を残せたとは言えないが、最初の1本は強烈な印象とともに記憶に刻まれた。
「大したことない選手なのに、あの花火のおかげで存在を知ってくれている人もいます。他球団のファンからも『神宮の花火の人だ』って言ってもらえて、ありがたい限りです。嵐には感謝しかありません」
今月4日に戦力外通告を受け、即座にYouTubeチャンネルを開設。自身が自律神経の病気に悩まされてきたことなどを発信し、同じ症状などで苦しむ人たちの一助になりたいという。「将来的には、高校野球の指導にも携わりたいなという思いがあります」。打ち上げ花火のように、パッと鮮やかに花開くことはできなかったプロ人生。次は線香花火のように、長く、温かく人に寄り添える存在になっていきたい。
○著者プロフィール
小西亮(こにし・りょう)
1984年、福岡県生まれ。法大から中日新聞社に入社。石川県や三重県で司法、行政取材に携わり、中日スポーツでは主に中日ドラゴンズやアマチュア野球を担当。その後、「LINE NEWS」で編集者を務め、独自記事も制作。2020年からFull-Countに所属。
(小西亮 / Ryo Konishi)