野球を諦める理由は「用具が高い」 SDGsで負担減…“再生グラブ”が注目されるワケ

野球グローブ再生工房 Re-Birth(リバース)【写真:橋本健吾】
野球グローブ再生工房 Re-Birth(リバース)【写真:橋本健吾】

使えなくなったグラブをリメイクする「野球グローブ再生工房 Re-Birth」

 経済的な理由で野球を諦める子どもたちを救う“グラブ専門店”が注目を集めている。2020年に東京・大田区で誕生し、現在は3店舗に拡大した「野球グローブ再生工房 Re-Birth(リバース)」。使えなくなったグラブを買い取り、再生させ「野球×SDGs」にも力を入れている。

 色鮮やかなグラブが並ぶ店内で一際、目を引くのが「再生軟式、硬式対応グラブ」だ。野球に一区切りをつけた球児たちの家に眠ったままのグラブを専門のグラブマスター(職人)が、革、紐、中綿などを修理し販売している。新品でグラブを購入すれば5~6万円、オーダーになればさらに値段は上がるが、“再生グラブ”は1万円台からとお手頃な価格帯となっている。

 同店舗の運営に携わる島本隆史さんは、目的をこう語る。

「野球人口が減少しているなかでグラブの価格は高騰し、気軽に始められる、続けられるスポーツではなくなってきている。このアンバランスな部分に少しでも貢献できればと日々運営しています。高齢化の影響もあって野球専門店が減ってきていて、難しい修理やオーバーホールを受けないお店も出てきていますので、愛着あるグローブを長くお使いいただけるようサポートしていきたいですね」

 毎年、野球界で流通しているグラブの数は約100万個ともいわれている。使用される革は良質なものになり、値段も高騰。だが、野球を辞めると物置に眠り、廃棄されるケースが多い。需要と供給のバランスが崩れかかっている現状に「何種類ものグラブを持っている人もいれば、経済的な理由でやりたいのにできない子どももいる。そういった子を1人でも減らして、長く野球を続けてもらえれば嬉しく思います」と、島本さんは語る。

軟式グラブを硬式グラブにリメイクするサービスも展開

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