トレードの勝者と敗者は? リーグ連覇の燕&オリが実行も…“低調な今季”を象徴
今季シーズン中にわずか3件…新天地で活躍した選手はいた?
プロ野球の各球団では、来季に向けた戦力整理が続いている。ドラフト会議を2日後に控える中、補強のひとつとなるのがトレード。中にはシーズン中に突如として移籍となり、新天地で躍動するケースも少なくない。今季を振り返ってみると、結果的にリーグ連覇を果たしたヤクルトやオリックスでもトレードが行われた。当事者となった選手たちの成績を振り返る。
今季シーズン中に成立したトレードは3件で、例年に比べると低調だった。7月9日にオリックス・後藤駿太外野手と中日・ 石岡諒太内野手の交換が成立。石岡は発表翌日の10日に早速スタメン出場すると、2安打1得点で勝利に貢献。いきなりお立ち台に呼ばれた。ただ、その後が続かず1軍では17試合で打率.152に終わった。一方の後藤も中日で35試合で打率.160。ベテランの大島、今季ブレークした高卒3年目の岡林らがいる外野陣で存在感を放てなかった。
トレード期限が目前に迫った7月29日には、駆け込みで2件が成立した。ロッテからヤクルトに移籍した山本大貴投手は1軍で5試合計5回2/3を投げて5失点で防御率7.94。9月11日に抹消されて以降は2軍生活だった。一方、ヤクルトからロッテに移った坂本光士郎投手も7試合で防御率4.15。DeNAから楽天の一員となった伊藤裕季也捕手はわずか3試合出場どまり。交換相手となった森原康平投手はDeNAで9月に1軍昇格し、6試合計6回を投げて防御率6.00だった。
結果だけ見ると、トレード要員となった6選手はいずれも1軍戦力としてシーズン後半戦に躍動したとは言い難い。ただ、即効性のある戦力補強というよりは、来季2023年シーズン以降を見据えた決断との見方もできる。
例えば、3月以降に9件も成立した2021年を見ても、その年でなく翌2022年に飛躍したケースは少なくない。巨人からヤクルトに移籍した田口麗斗投手は、先発も含め計33試合で5勝9敗4ホールド、防御率4.02だったが、今季はリリーバーとして大きく飛躍。45試合で防御率1.25で、リーグ連覇に大きく貢献した。さらに日本ハムから巨人に移った中田翔内野手も、移籍1年目は新天地で3本塁打、打率.154に終わったが、今季は24本塁打と復活の兆しを見せた。
移籍直後の成績だけでは“勝ち組”と“負け組”を判断しづらいトレード。今季チームを移った6選手も、来季に目覚ましい躍動を見せる可能性を秘めている。さらに今オフも、トレードを含めた各球団の戦力補強も注目される。